ダイナミクスエキスパンダ
エキスパンダは、オーディオの小さな音量部分と大きな音量部分との差を拡げます。スレッショルド(限界値)より小さなレベルにとどまる部分は音量を下げ、スレッショルドよりも大きなレベルの部分は音量を上げるはたらきをします。アタックタイムはスレッショルドを超える大きさの音に対する反応の速さを決め、リリースタイムは限界値よりも小さな音量に下がった時の反応の速さを決めます。
別の表現をすれば、ダイナミクスエキスパンダはコンプレッサの逆のはたらきをします。エキスパンダは、スレッショルド以下のレベルについて、オーディオの音量を下げるようにはたらきます。"比率" は音量を下げる量を決め、これ大きければそれだけ音量も小さくなります。12:1 またはそれ以上の高い比率は、ノイズゲートと考えられます。"アタックタイム" と "リリースタイム" とはコンプレッサと同じはたらきをします。アタックタイムは音量がスレッショルドを下回るとき、どれだけ速く反応するかを決め、リリースタイムは、音量がスレッショルドを超えるとき、どれだけ速く音量を元にもどすかを決めます。
エキスパンダはオーディオのダイナミックレンジを増やしたいときに利用できます。ノイズの多い録音に適用すると、小音量の部分での音量を下げるので、ノイズをあまり感じなくなります。副次的な効果として、音の減衰の様子を変化させ、静かなパートをより静寂にします。